キャッシングの返済をせず過ごすとどうなりますか?

さまざまな理由から、キャッシングの返済が困難になることもあるかもしれません。
 

  • リストラされて返済の目途がたたなくなった
  • 借金が膨らんで返済が追いつかない
  • 単純に返済するのが面倒になった
  • 利息を返すので精一杯で元金が減らないのが苦痛

など、それぞれの事情があるとは思いますが、「このまま返済しなかったらどうなるんだろう?」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
 

今回は、キャッシングの返済をせずに過ごすとどうなるのかを解説していきましょう。
 

1.延滞発生後の流れ

 

返済が遅れると、まずは貸金業者から督促の電話が来ます。
 

1~2日であれば、債務者が返済をうっかり忘れている可能性も高いので、電話の回数も1日1~2回程度でしょう。
 

最初のうちは、貸金業者側でも「忙しくて電話に出れないこともある」と思っていても、やはり何日も債務者が電話に出なければ心配になりますよね。
 

そこで、電話がつながらないまま数日が経過しますと、「返済日過ぎてますけどお忘れじゃないですか」というお知らせの手紙が自宅に届きます。
 

その後も貸金業者に連絡をしなければ、引き続き電話は鳴り続けます。
 

そして、初期の段階では携帯や自宅へ来ていた電話が、勤務先へもかかってくるようになります。
 

たとえ事前に、「勤務先への連絡を控えて欲しい」とお願いしていたとしても、貸金業者は勤務先へ連絡するのは「正当な理由」があるからだと主張するでしょう。
 

貸金業者の主張する「正当な理由」とは、長期延滞中で携帯や自宅へ何度も電話するがつながらず、自宅へお知らせの手紙を送付しても連絡が取れないため、「勤務先しか連絡する手段がない」ということであり、残念ながら違法行為にはなりません。
 

さらに、自宅に再度督促状が届きます。
 

このときに届く督促状は、初期に自宅に届くお知らせの手紙よりも若干強めの言い回しで、「支払わないとしかるべき措置を取りますよ」と、支払いを促すようになります。
 

ちなみに、延滞がどれだけ長期になろうとも、郵便物の差出人名はすべて個人名であり、社名で来ることはありませんので、郵便物から家族にバレてしまうのでは?ということは心配しなくても大丈夫です。
 

そのまま2~3ヶ月過ぎると、信用情報に事故情報として残るようになります。
 

しばらくすると調停に持ちこまれ、裁判所から出廷依頼書が届き、調停→和解、利息減免・給与差し押さえ等の流れとなります。
 

2.裁判所から通知が届いたらどうするの?

 

裁判所から通知が届くとびっくりしますよね。
 

もし裁判所に行かなかったら一括で返せと言われるの?でも怖いから行くのも不安・・・といろいろ考えてしまうでしょう。
 

では、裁判所から出廷依頼が来て、出廷した場合と出廷しなかった場合について説明します。
 

①出廷したケース

 

裁判所に行って何をするかと言うと、「返済についての話し合い」です。
 

貸金業者側は「期限の利益の喪失」を主張し、一括返済を要求してきます。
 

「期限の利益」とは、債務者の持つ権利(利益)のことで、支払期日という「期限」までは返還請求されないという約束事なのですが、長期延滞という約束不履行により、「債務者が持つ分割で返済できる権利」を喪失してしまったということです。
 

月々の返済も困難であるのに一括での返済は難しいでしょうから、分割で返済したい旨を伝え、双方が合意したら、別室に移り、司法委員を交えて細かい金額交渉をします。
 

ここで、減額・金利減免などの話し合いをして、月々無理のない返済金額で再度返済をスタートさせるようになります。
 

大概は、ペナルティも設けられます。
 

  • 2回以上延滞したら一括返済する
  • 2回以上延滞したら金利を復活させる

等の条件(過怠約款)がつきますので、今後こそ返済を遅らせることはできません。
 

②出廷しなかったケース

 

さて、裁判所からの通知を無視し続けたらどうなるのでしょう?
 

貸金業者側は、強制執行の手続きに移ります。
 

ちなみに、大体は給料の差し押さえをするのですが、ここまで返済がこじれる人は数社から借り入れしていることが多いので、1社に割り当てられる金額も少なくなってしまいます。
 

また、債務者が退職している場合、差し押さえられるものがありませんから、あとは打つ手がないのが実際のところです。
 

ただ、強制執行ができる状態は判決後10年続きますから、債務者が再就職したことが判明すると、すぐに差し押さえの手続きを取ることが可能です。
 

3.住所や勤務先はどうやって判明するの?

 

ところで、貸金業者から逃れる為に引っ越したり転職したりしても、所在地がばれてしまうことがあるのはなぜでしょう?
 

貸金業者は、債権保全を目的として債務者の住民票を取得することができます。
 

もし引越しして住民票を移動させたり、結婚等で氏名変更があった場合には住民票を取得することで把握することが可能なのです。
 

そして、住民票をもとに変更した属性内容は、信用情報機関にて共有されます。
 

どこか1社が自宅や勤務先の情報を変更すると、信用情報を照会した時に新情報を得ることができる可能性があるということです。
 

個人情報ですから、もちろんむやみに照会を繰り返すことはできませんが、延滞が長期に渡る場合には、調査と言う名目で定期的に照会はされていると考えてよいでしょう。
 

自宅が判明すると、知人のフリをして、「ところで、今○○さんはどこにお勤めなんですか?いつも何時頃帰ってきますか?」などと家族に聞いて情報収集することもありえます。
 

貸金業者には、債権回収を専門にしている部署も存在します。
 

貸金業者の調査能力をあなどってはいけません。
 

仮に現住所や勤務先がばれることなく逃げ回れたとしても、ローンを組めなかったりクレジットカードが作れなかったりと、将来的なデメリットは数多くあります。
 

4.死亡したらその後は?

 

支払いしたくても、物理的にできなくなるケースもあります。
 

債務者本人が重度障害で支払い不能となったり、死亡した場合です。
 

以前は、消費者信用団体生命保険(団信)と言って、債務者に保険をかけ万が一の時には貸金業者側に保険が下りる制度を利用している貸金業者が多かったので、債務者本人が死亡したら、そこで借金は終了でした。
 

ところが現在は、団信を廃止している貸金業者が多く、債務者の借金は相続人に相続されるようになりました。
 

貸金業者は、債務者の遺産を相続した家族と支払いについて交渉することになります。
 

以上のように、借金を返済せずに逃げ回ることは、非常に困難であると考えたほうがいいでしょう。
 

そうは言っても、「無い袖は振れない」ですよね。
 

もしどうしても返済困難な状況に陥ってしまったのなら、早いうちに貸金業者か法律の専門家に事情を説明して相談しましょう。
 

貸金業者も、窮地に陥った人間に「一括で返せ」とは言いません。
 

貸金業者としても、たとえ元金全部が回収できなくても、ゼロよりはマシですから、あの手この手と譲歩案を出してくれるはずです。
 

関係がこじれてしまう前に、早めに和解して、より良い条件下で借金返済の新たな計画を立てるのが最善策と言えるでしょう。